後継創業 of NPO法人 学生耕作隊

 後継創業とは、継ぎ手や担い手のいない農地や古民家、農機具などの地域の財を引き継ぎ、それらを創造的に活用して地域を元気にしたり問題解決をしていくことです。
 学生耕作隊では、これまでに多くの農地や建物を後継創業し、それらの管理や活用を通して地域農業の振興や若者の育成に取り組んできました。
 現在では、山口県内各地に数か所の後継創業拠点があり各拠点で農作物の生産や研修などを行っています。

●宇部市楠地区 森の駅・くすのき
 森の駅・くすのきは、元々は地域の方々が山を開墾して作ったお茶園でしたが、地域の中に後継者がおらずに耕作放棄されて山もお茶園も荒れ放題になっていました。
 そんな時、学生耕作隊の若者がお茶園、さらには山全体の管理を引き継いで後継創業を開始しました。
 山全体の広さはなんと10町歩(約1万㎡)!
 最初はジャングルのようにお茶の木や山の雑木が生い茂っていたお茶園でしたが、鋸でお茶の木を切ったり、エンジン式の刈り払い機で短く刈りそろえたり、手作業でお茶の木を覆い尽くすほどの草を取ったりといった管理を地道に続けていきました。
 そして、管理3年目で地域の茶工場を稼働させてついにお茶の加工に成功し、管理4年目となる2010年にはお茶を本格的に商品化して全国に売り出しました。
 また、お茶園の一部は重機や手作業でお茶の木を取り除いてブルーベリーの苗木も植えています。
 森の駅・くすのきの自然環境は決して優しいものではありませんが、ブルーベリーは負けずに成長しており、加工や活用、販売の計画も徐々に練られています。
 他にもいも類やかぼちゃなどの野菜も栽培できるよう、新たな畑の開墾計画も進められています。
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再生されたお茶園の様子

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荒れたお茶畑を開墾して作られたブルーベリー畑

 さらに、こうしたお茶園の再生だけでなく、コミュニティセルフビルドやサバイバルゲーム(森林や室内で模擬銃を使って撃ち合うゲーム)のフィールドの開発、ヤトロファ(実から軽油の代替燃料を精製できる木。桐の一種)を使った自然エネルギーへの取り組みなど、若者の個性や興味にあった多種多様な社会的実験も計画、推進しています。
 また、春には山菜やタケノコ、秋には栗といった山の幸も多く収穫でき、有料でのわらび狩りも行っています。
 春先のシーズンには地域の人多く来られ、ご夫婦やご家族で山一杯のわらびを収穫して持ち帰られます。
 他にもコミュニティセルフビルドで作った倉庫も備えています。
 また、なんと、必要な電気は自分たちで作ったソーラー発電システムで自給自足しています!
 もちろん、曇りや雨の日には電気が使えず、夜は電池式のライト以外明かりが無くて真っ暗ということもありますし、炊飯器などの消費電力の大きい家電は使えません。
 しかし、こうした取り組みそのものが「自分たちが使うエネルギーも自給する」という生活モデルになると思っています。
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自分たちで建設した倉庫とソーラーパネル

●周防大島町家房地区 みかん園
 このみかん園は、昔から地元のおばあさんが管理されていたみかん園でしたが、高齢化とともにみかん園までの急斜面を登るのがつらくなり、管理が難しくなっていました。
 そんなとき、学生耕作隊の若者がこのみかん園の管理を引き継ぎました。
 みかん園は急な上り坂を登るのが大変なものの、日当たりの良い山の上の場所にあり、すぐ目の前には周防大島の青く綺麗な海と空が広がっています。
 このみかん園のみかんは近年主流の甘みが強いみかんではなく、甘さの中に酸っぱさがある昔懐かしい味のみかんで管理開始から冬の贈答品や日常の消費用として多くの方にご購入いただいています。
 また、2009年にはみかんをジャムに加工し、2010年にはみかん果汁100%のみかんジュースを商品開発して販売もしました。
 さらに、園内にはセルフビルドで作られたロッジもあり、作業時の休憩などに利用されています。
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みかん園での管理作業の様子

●周防大島町の野菜畑
 学生耕作隊が地域の方からお借りして管理を行っている畑で、毎年玉ネギやニンニク等の野菜を栽培しています。
 2010年は耕作放棄地だった8反の畑を草刈して耕し、山口大学の学生たちやシニア耕作隊の方々と玉ネギ4,000本とニンニク1,000本を植えました。
 これらの玉ネギとニンニクは、除草剤や根枯らし剤などの農薬類を使わず地道に草取りなどを行って育て、収穫後は近くの教育施設の食堂での食事やまかないとしてメンバーの食事にもなりました。
 また、東京の協働先へも約100kgを出荷し、全国のもったいない野菜や手作りの加工品などを集めて販売するイベントにて詰め放題形式で販売されました。
 2011年には玉ネギだけでなくニンジンも植え、毎月宇部市で開催している「まちなかファーマーズマーケット」でも販売されました。
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周防大島の畑での玉ネギ植え付け作業の様子

●下関市菊川町の古民家
 この古民家は元々は地域の方が住まれていたお家でしたが、家主の方が亡くなられて住む人がいなくなっていたところを学生耕作隊が管理の相談を受けて活用することになりました。
 この古民家は土壁や土間、かまどなど、昔話に出てきそうな日本家屋の姿がそのままに残されており、見ているだけでもどこか懐かしい気持ちになれます。
 また、家のすぐ近くには田んぼと畑もあり、そこに植えられている梅が収穫できるだけでなくこれらを活用しての米・野菜作りも計画されています。
 さらに、裏山ではタケノコ、山菜、栗、夏ミカン、柚子等も収穫でき、四季に応じた様々な作物が楽しめます。
 このように、この古民家では日本家屋や田畑や裏山などの日本の古き良き風景が残されており、自然とともに生きる日本の生活や農業が実践できる場になっています。

 また、学生耕作隊では後継創業を希望する土地、建物、農機具などを募集しています。
 後継創業をご希望の際や、ご不明な点がありましたらお気軽に事務局(kousaku@shakai-kigyo.net)までご連絡ください!